2016年 04月 07日
春への序章……「Garden Diary」Vol.5 発売中です。

穏やかで暖かな4月がやってきました……。
桜も満開を過ぎましたね……あぁ、桜吹雪の美しいこと。
桜の花は満開の豪華絢爛もいいけれど、少し散って臙脂色の萼が見えて来た方が、
樹全体が赤みを帯びて色っぽかったりします。
これからは一気に草花が咲き乱れる春に向かって一直線ですね。
この春の季節を待ち焦がれた人がどれくらいいるでしょう……。
矢張り春の季節の百花繚乱の中心は、花の女王である薔薇……。
他にも美しい花は沢山ありますが、薔薇の花は別格です。
花様の美しさ、匂い、樹形、葉の美しさ、花の美しさを際立たせる鋭い刺……。
葉が落ちて刈り込まれた冬の姿、新芽の頃の愛らしさ、
花は蕾の頃から散りゆくギリギリまで、どの姿も、
まるで人間の一生になぞらえるように美しく艶やかです。
それから、それぞれの薔薇の名前に込められた物語……。
それらに加え、忘れてはならないのが薔薇の花を楽しむ方法の多様性ではないでしょうか。
庭で丹精込めて育て、切り花にしてよし、ドライにしたり、
ポプリにして匂いを楽しみ、ローズウォーターにして美容に、
またはジャムにしたりローズヒップティーで楽しむのもよし……。
品種や系統によって様々な育て方がある薔薇。
コンテストに出品するような整形花を1輪、花瓶に差して楽しむのもよし、
はたまた庭で丹精こめて育てた草花と合わせてブーケにするもよし……。
育てて美しく花開いた薔薇の写真を撮るのも一興ですね。
また、庭で慈しむ場合は季節季節の姿が移り変わって楽しいものです。
今日の1枚目の写真は、去年の5月に撮影した薔薇ファン憧れの黒田邸の入り口の様子。
もう圧倒的。薔薇を育てていて、こうありたいと思う理想形がそこにあります。
庭のそこここに植えられた薔薇。計算された小径にしつらえられたアーチを彩る薔薇。
大きなアーチの下のガーランドに二重に誘引された薔薇の美しいことときたら……。
少し薔薇をくぐるように庭に入る時のワクワク感は筆舌につくせません。
それから黒田邸の最大の特徴、見所である、
建物の壁面一杯に誘引され、まるで天から降りそそぐかのような薔薇……。
「薔薇は見上げるのが一番美しい……。」
そう仰言ったのはディヴッド・オースチン氏とか……。
上から俯き加減に語り掛けてくる薔薇の美しさはまた格別です。

さて、そんな薔薇の楽しみ方の中で、総ての人が憧れると言っても過言ではない、
アーチの作り方を懇切丁寧に解説してくれた「Garden Diary」Vol.5が発売になりました。
経費節減を進めるあまり、何とも残念で貧相な紙面作りの出版物が増える中で、
雑誌の命である紙や印刷にこだわり、今時では珍しい立派な1冊になっています。
こだわりの紙面に福岡将之さんのポイントを押さた美しい写真が映えます。
アーチ作りの解説が、ただの解説に終わらず、美しい写真を見ながら、
イメージを広げながら楽しく学べるところも魅力です。
植物を相手にした出版物の取材の苦労はよく知っているつもりです。
何しろ花が相手です。その年の気候が大きく左右して来ます。
丁度、見頃の花が直前の大風や雨で写真に撮れなくなったり……。
1日でガラッと花の表情も変わってしまいます。
日本全国を駆け回る取材の大変さ、ドタバタ加減、苦労は見聞きして知っています。
先を見越しての気の長い取材は本当に大変だと思います。
僕、強度の天の邪鬼ですから、絶対に労ったりしないのですが(笑)
こうして刷りがった紙面を見ていると、なかなかやるなぁ……と(笑)
次の号の特集はなに?その次は?今度プレッシャーをかけてみたいと思います(爆)
是非、手に取ってみてください。
1冊がまるで春の薔薇のシーズンへの序章、
期待高まるガーデニング・シーズンへの入場チケットのようです。
人気誌ですけどプラチナ・チケットではありませんからね。本屋に行けば売っています!
ご自分の目で写真を見て、読んで、是非、今年のシーズンに役立ててみてください。
08. 04. 2016
Benoit。
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