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Garden Diary vol.3……紙面が出来るまで。

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このブログも早いもので、今日で丸6年が経ち、
明日から7年目のラッキー・イヤーを迎えます。
僕だけしか書けない薔薇のこと……これだけ情報が溢れていますからね、
なかなかありそうでないのですが、これからも自分らしく、
また、個性豊かな写真で薔薇だけのブログをお送りして行きたいと思っています。
7年目もどうぞ宜しくお願いいたします。

さて、春の薔薇シーズンの先陣を切って「Garden Diary vol.3」が発売になりました。
凄いですね、ボリューム満点です。読み応えが凄いです。
あぁ、あそこもここも……僕が知っているお友達の庭、遊びに行ったことがある庭、
まだ願い叶わず訪れていない庭……薔薇の人気の先生たちの楽しいお話が盛り沢山です。
特に面白かったのは北海道特集です。最近は皆さん関東の薔薇が終わると揃って北海道詣で。
素晴らしいんですよね……北の地の苦労なんて微塵も感じさせない個性的な庭の数々……。
短いけれど一気に爆発する北海道の夏。美しい植物本来の色!
皆さん謙遜して「関東に勉強に行かなくっちゃ!」って仰有いますが、
そんな必要はまったくありません!勉強するのは僕らの方ですもん。
遊びに寄らせて戴いた庭がこちらも沢山。ターシャさんこと高橋かつえさんが、
嬉しいことに僕の「Rei」を紹介してくださっています。

実は、既にご覧になった方も多いと思いますが、
僕の「Bella Donna」も素晴らしい庭の末席にチョッとだけ取り上げて貰っています。
今日はね、綺麗事を書いても仕方ないし(笑)内幕と言うほど大袈裟でもないけれど、
紙面が出来上がるまでを書いてみようかな?その方が面白いですしね……。


先ず、植物を扱う雑誌の常として、取材は前の年になりますよね。
有り難くもお話を戴き、文章はどうにでもひねれるとして、
問題は写真。そう、写真なのです。美しい写真が命のガーデン雑誌ですから。

 「読者の皆さんが写真を見て、私も育ててみたいと思うような写真……。」

安藤編集長の口癖です。そして、僕の写真はそれと正反対なのです(笑)
どうしても黒い写真になっちゃうのね……レンズのせいもあるんですけどね。
僕は雑誌のカメラマンの仕事をしている訳ではないので、
紙面を通して、その庭の様子や、位置関係など、写真で表す必要がありません。
好き勝手に薔薇や植物を被写体にして遊んでいい訳です。
僕の写真で紙面を作るとなると、読者の皆さんは、何がどうなっているのか、
どことどこが繋がっているのか?位置関係がまったく分からなくなってしまいます(笑)
私も育ててみたい……困っちゃうんです、そう言われても……ついつい癖が出ますからね。
安藤編集長からは背景が黒い写真はダメと、キツぅ〜くお達しが……。
いつも安藤編集長からはブっとい釘を刺されているんですよ……可哀想な僕(笑)
でもねぇ……そう言われてもねぇ……どうしても自然に出ちゃうのが癖というものです。
やんわり真綿で包むように圧力をかけて来る美人編集長……。
写真を撮れるチャンスは春と秋の2回……果たして上手く行くのか?

 「光が射してね、瑞々しくて朝露がこう……。」

はい、分かりましたから!(笑)
安藤編集長がお好きなのは、花弁の一端にサッと光が射し、
透けるような美しい花弁の薔薇……天気を選びますよね。
先ず、晴れていないとね。それから丘陵公園のコンテストの記事でしたから、
出来れば丘陵公園に植えられている「Bella Donna」で勝負したい……作出家の僕のこだわりです。
ところが去年の春はそれどころではありませんでした。だって授賞式がありましたから。
でもね、撮る気満々で行ったのですが、生憎、暖かな日々が続き、
例年よりも開花が早かったそうです……チャンチャン!
しかも、表彰式後のトークショウに向けて、綺麗に咲いている花はカットしてテーブルの上に……。
さて、どうするどうする!ちんまりと神妙な顔をして表彰式に臨みながら、
そんなことを、あれこれ考えていたのですが、ハタと閃いた訳!
あのテーブル上のカットした「Bella Donna」で撮影させて貰えばいいじゃん!
そうだ、そうだ、そうしましょ!決まり!となると、どう段取りする?
ここで僕が呆れちゃうのはね、偉大なガーデンライターを自認しているあけさま……。
もうね、1人の観客になっちゃって撮影のことなんかまったく頭にないのね(苦笑)
表彰式を思い切り楽しんじゃっている。いいのか?コーディネーターの仕事はどうした?!(笑)
本当なら、僕なんかよりも写真のことを心配しなければいけない立場なのに……。
まったくしょうがないなぁ……あけは当てにならないとして、そうだ!
受付の時に爽やかな笑顔で対応してくれたハンサムな青年に頼もう!
授賞式が終わり、事情を説明してカットした「Bella Donna」をお借りしました。
破顔一笑、快諾してくれましたとも!そして外に出て撮影したのが今日の1枚目です。
これ、受賞の薔薇のコーナーに植えられた「Bella Donna」じゃないんです。
いいんです、写真は「こうあるべき」……で撮影すれば。
そういう風に見えればいいのです。寄せて撮るのは好きじゃないですけど仕方ない。
写っていない右側にあけの不っ細工なブラックフィンガーな手があるんですよぉ(笑)
はい、持たせましたとも。それくらいしてくれないとね、自分で段取り出来ないんだから。
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実は、この時はこの写真を使う気なんてさらさらなかったのです。
取り敢えず、保険をかける?秋にふたたび丘陵公園に来て撮影する気満々でしたから。
新潟のお嬢さんに開花情報をこまめに聞き、栽培を担当してくださっている、
親切な方に情報をあげて貰い、再び訪れて撮影したのが今日の2枚目……。
安藤編集長に速攻で却下されました(爆)生憎の曇りでしたからね。
丁度、伺った時、スタッフの皆さんが総出で薔薇の手入れ、咲き柄の剪定をしていましたが、
僕が写真を撮りに来たことを知ると、作業を止めて花を残してくださいます。
有り難いですよね、その気遣いが。でも、いかんせん太陽の光がない……。
矢張り、太陽は偉大です。お日様の光一筋で写真が夢のようになります。

さて、問題の写真はいいとして、残るは文章です。
僕ね、書くことは何とも思っていないんですよ。全然、苦じゃない。
年明けに編集部にお邪魔して打ち合わせをした時、安藤編集長からは、
書いて欲しいテーマ、文字数、その他、諸々の指示が……。
締め切り?全然、問題ありません。僕、締め切りは守りますから。
でも、チョッと釜をかけて聞いてみたんです。
「木村さんにいつが締め切りか聞いてみようかなぁ……。」って。
そうしたら「木村さんからはもう原稿は戴いています。ほほほほ。」って……げっ!やられたわ(苦笑)
文字数はきっかり1500文字……僕ね、これもどうにもならないクセなんですが、
一旦、書き上がったものを校正して赤字を入れているうちにどんどん文章が長くなっちゃうの(苦笑)
これは仕方ないです。だって、親切なんだもの。皆さんに良く理解して欲しいと思から。
でもね、頑張ったんですよ。色々と言葉を置き換えたり表現を変えたり。
そして見事に1500文字の原稿が出来上がりました!あはは!おほほほほ!
ところが、見事に、ゴッソリと、バッサリとカットされちゃったんです!有り得ない(笑)
ニッコリ笑顔で原稿を切っておいて「もっと素敵なキャッチ、コピーはないかしら?」って……。
もう知りません!(笑)寄せ植えのkusaki先生が「文章が短くて良かった」って。
そう言う訳でございます(苦笑)美人編集長の一存であっけなく写真を却下され、記事をカットされました。


まぁ、ともあれ形になりました。HISAKOさんの美しいアレンジの写真の力もあって、
魅力的なページになったんじゃないでしょうか……皆さんは読まれてどんな感想をお持ちになりましたか?
今度、ゆっくりお話を伺わせて欲しいなぁ……どうです、内幕を読むと記事がもっと面白くなるでしょう?


16. 04. 2015


Benoit。


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by souslarose | 2015-04-16 20:00 | Under the Rose

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