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僕がこだわりたい色。

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ここに1枚の写真があります。
去年の薔薇のハイ・シーズンの夕暮れに撮った1枚、
手持ちでブレないギリギリの光線の中で撮った薔薇。
夕暮れ時の暗さで良く違いが分からないかもしれませんが、
僕のオリジナルの薔薇が3種類写っています。

残念ながら薔薇の花に青い色はないけれど、
その他の色はほぼ揃い、花の形、様々な性質、正に百花繚乱の様相を呈しています。
僕は趣味で交配をしていますが、友人達は口を揃えてこう言います。

 「青い薔薇でも作って御殿でも建てるの?」

そう、もしも真に青い薔薇が出来たとしたら、
その青い薔薇が綺麗かどうかは別として御殿が建つかもしれませんね(笑)
いい加減、出たとこ勝負、ナンチャって、出会い頭、ズボラ、神をも恐れぬ……。
口の悪い友人は僕の交配を面白がって揶揄しますが、
そんな、確かにいい加減な僕がただ一つ、目標にしているのが「紫の薔薇」……。

そう、紫が好きなんです。
僕の友人が新しく始めたブログの最新記事で、
「MURASAKI」と言う記事を書いています。
紫って本当に人を魅了する色なんだと思います。
薔薇と言えば赤……咲いた、咲いた、真っ赤な薔薇が……。
歌にも歌われているけれど、ただただ単純に赤い薔薇はチョッとね(笑)
黄色の薔薇は葉の色との兼ね合いがチョッと苦手。
白もピンクもオレンジもそれぞれに素晴らしいけれど、
矢張り、豊潤でリッチな赤、それも紫に退色する赤が美しいと思うのです。
育種家の先人たちは、ブルーイングしない赤の薔薇を作ることに腐心したけれど、
今はブルーイングして紫になる薔薇がもてはやされているような気もします。
美しい紫色の薔薇も出て来ました。それを青い薔薇と呼ぶかどうかは別として、
僕がこだわって作りたいと思っている色……紫。

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紫色の薔薇……。
まるで鹿鳴館の夜会で偽りのワルツを踊る、
影山朝子の滝のように流れるローブ・デコルテの色。
はたまた、18世紀後半のフランス……人目を忍んでヴァルモン子爵に会いに行く
メルトイユ侯爵夫人の闇夜に紛れるドレスの色。
そう、アシュレーとの浮気を疑われ、人々の蔑みの視線の中、
肩をそびやかし眉を上げて満座を一瞥した時に、
スカーレットが着ていたのもこんな色のドレスでしたっけ……。

紫色……艶やかで気高い薔薇に良く似合う色……。


27. 01. 2009


Benoit。


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by souslarose | 2010-01-27 00:00 | Under the Rose | Comments(12)

麗しのPaul's Early Blush。

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我が家の冬のバルコニーには色がない……。
こまめに手入れをし、季節季節の草花を慈しんでいる人の庭とは全く違う。
薔薇のシーズンでさえそれなりにしかならないのに、
普段は全く手入れをしない我家のバルコニーはヒドイのです(笑)

赤く紅葉した薔薇の葉、まだ完全に色付いていないオリーブの実、
小さいけど真っ赤に熟したノイバラの実……それらが僅かな彩りなんですが、
その実も小鳥たちに啄まれ随分と減って来ました。
さて、先日のこと。冬場のお決まり、週一回の薔薇の水やりの時、
一番端のバルコニーの片隅を見やると、一際、鮮やかな色が目に飛び込んで来ました。
近くまで寄ってみると、その鮮やかな色は「Paul's Early Blush」の熟した実4つでした。

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つい先日、人気誌「My GARDEN/No.53 早春号」に、
「僕のいちばん好きな薔薇?それはね……。」と題して、
2ページほどオールドローズに関して好き勝手を書かせて戴きました。
リストアップの時、色々と好きな薔薇が脳裏をかすめましたが、
一応、オールドローズと謳われている以上、薔薇の世界では一般的な
「La France」より以前の薔薇に限定して品種選びをしないといけません。
当然、1893年に発表された「Paul's Early Blush」は、
リストから後ろ髪を引かれる思いで落ちます(笑)
でもこの薔薇、ブノワ。さん、大好きなのです(笑)
1893年、イギリスのジョージ・ポール Jr. 作出、
ハイブリッド・パーペチュアルになる「Paul's Early Blush」。
淡いピンクのやや大振りの花が咲きます。
刺は多いものの、薔薇ですからね、刺があるのは当たり前、
薔薇好きたるもの刺も薔薇の最大の美点として愛でなければいけません(笑)
まるでジョン・シンガー・サージャントの傑作、肖像画の最高峰、
「Lady Agnew of Lochnaw」が着ているドレスのようなピンク、
上質のシルクのように柔らかで滑らかな花弁、
高芯剣弁が特徴であるモダンローズと古の薔薇を繋ぐ花様、
大きくタップリとした明るい葉、上品でスッキリした匂いも魅力です。
上手く伸ばせばショート・クライマーとしても使えます。
残念ながら、そんな繊細な花弁ですから雨には弱いのですが……。

さて、そこまで褒めそやすとなると……、
そう、当然、今までに毎年〜交配に使ってきました。
所が、途中までは実がプックリと膨らむのですが、
夏以降、次々にダメになってしまいます。
母木にしてもダメ、花粉を使ってもダメ、どの組み合わせもダメ……。
一般に薔薇は受粉しやすい植物だと言われています。
ただ、美しさの極みの薔薇、完璧な薔薇はなかなか子孫を残さない傾向にある……。
この「Paul's Early Blush」もその 中の一本なのかもしれません。
半ば諦めかけた時に見付けた赤く熟した4つの実。
どうやら僕が交配したものではなく、自然受粉のようでした。
いそいそと実をカットして部屋に入り、ナイフで実を割ってみると…….
中には一粒も実が入っていませんでした……。
そうなんです、実が膨らんだからと言って中に種が入っているとは限らないのです。
あ〜ぁ、ガッカリ(笑)やっぱりダメなのかなぁ……。

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写真は春の終わりからグングン伸びたシュートの先に咲いた「Paul's Early Blush」。
下に横顔を見せているのがハーディ作出の「Gloire de France」。
どうです、恐ろしいくらいに綺麗でしょう?



01. 15. 2010


Benoit。


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by souslarose | 2010-01-15 00:00 | Under the Rose | Comments(16)

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