祈るような気持ちで。

b0168859_1734432.jpg
××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××

そろそろ6月も後半に入ろうとしています。
鬱陶しい梅雨真っ只中……雨が少なければ農作物の不作を嘆き、
多ければ蒸し暑くて遣り切れないと愚痴る(笑)
人間って本当に我儘勝手な生き物ですね。

さて、春の薔薇も一段落。
最盛期にヒートアップした薔薇への熱ぅ〜い熱ぅ〜い情熱の、
やり場に困った薔薇マダムたちは一様にローズ・ブルーです(笑)
僕はと言えば、ローズ・ブルーになんかなる暇もなく、
毎日〜祈るような気持ちで家の薔薇たちを眺めています。

そう、交配を済ませた薔薇はこれからが正念場なのです。
系統にもよりますが、交配した実が小さなものでも、
小指の第一関節くらいの大きさに膨らんできています。


薔薇の交配は皆さんが考えるより大変で、大きな犠牲を伴います。
ここに書き出せばキリがありませんが、幾つか書き出してみましょう。
先ず、交配親(特に母親)に使う薔薇の花は年間を通して全く見ることができません。
これから美しく咲き綻ぶ直前に花弁をむしり、雄蕊を採取、雌蘂に花粉を付け交配するからです。
受粉させたら秋までキッチリ管理しなければなりません。
したくない消毒(ウドン粉病は大敵です。)もしなければならないし、
次々に上がってくる花芽は摘んでしまわなければなりません。
来年への期待を膨らませる生命力溢れるシュートもダメです。
詰まり、株が実を膨らませる以外の一切のことを排除し、
秋に向けて実が赤く赤く膨らむために総てを犠牲にしなければなりません。
次の花、シュート……実以外に行ってしまう栄養を実のみに集中させなければならないのです。
実を育てつつ2番花、3番花も楽しむ……ありえません。
つまり、交配に使ってしまったらお気に入りの薔薇を全く見られないことになるのです。
これ、結構、キツいです(笑)何のために薔薇を育てているのか……疑問に思う一瞬です。
今年は30輪以上、全ての花を使い交配したある薔薇……現在実が残っているのはたったの2つ。
2つでも残れば御の字と思わなければいけないかもしれませんけどね。


さて、交配して2ヵ月弱、7月くらいにまでなるとホッと一息つきます。
ダメな実はこの頃までには全て落ちてしまいますから。
毎朝〜水やりの時に恐る恐る膨らんできた実を観察します。
黄色くなって来はしないか、茶色くなってはいないか……。
たった一晩で黄色く変色してしまうこともありガッカリです。
暑い夏を越せば、あとは秋に実が赤く色付くまで、しっかり管理するのみ。


赤く色付いた実を割って種を収穫する時の喜び!
大きく丸く実っても、中に種が一粒も入っていないこともありますし、
予断は許さないですが、 種を播いてしまえば60%〜70%の割合で発芽します。
ここまで来たらこっちのもの、 あとは大事に育てて春に咲く小さな小さな花を待つばかり……。

今年は今までやったことがない新しいことにも挑戦してみました。
さぁて、吉と出るか凶と出るか……そんなに変なことにはならないと思うのだけれど。
薔薇も売り物で流行もあります。流行を追っていたのでは何年も後れを取ることになります。
個人で、鉢植えで、細々と交配している僕にとっては、
流行の先取りなどと大それたことはできません。
ただひたすら自分の審美眼を頼りに薔薇を選抜するのみです。

××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××

今日の薔薇は僕の未発表のオリジナルの薔薇。名前はまだありません。
たった1輪ですが、大切な大切な、頑張り屋さんのお友達にプレゼントしました。
通常、未発表の薔薇を人に見せることはあってもプレゼントすることは絶対にありません。
この薔薇も蕾から満開まで、毎日〜観察し、写真を撮り……。
でも、フと思ったの。日々、自分の楽しみを犠牲にして頑張っている友達にプレゼントしたら喜ぶかな?って。
畑に何株も植えてある訳ではありません。鉢植えで咲いたたった一輪。
少々くたびれてきているけど、薔薇の謂れを聞いたら元気出るかな?って。
不思議なことに薔薇にはそういう力がありますもんね。
温かい心の籠ったおもてなしにはたった一輪ではなんですが、
One Day Flower だけれど、楽しんでくれたでしょうか。

さぁて、秋まで一喜一憂の日々が続きます。


20. 06. 2013


Benoit。


★Copyright ? 2009~2013 souslarose, All Rights Reserved.
[PR]
by souslarose | 2013-06-20 00:00 | Under the Rose

Let's talk about roses。


by ブノワ。
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31