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「Old Roses」……待望の発売です。

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僕たちは非常にラッキーな時代に生まれたと思います。
それは、薔薇に関してって言う意味ですけどね。
僕が薔薇に興味を持ち始めた時、まだハイブリッド・ティーが全盛でした。
そして、フロリバンダ……当時の図鑑や参考書を見ると懐かしい気がします。
それからオールドローズが一世を風靡し、モダンとオールドが美しさの妍を競いました。
その間、着々とイングリッシュ・ローズが台頭して来て、
モダン・ローズとオールドローズの美点を兼ね備えた姿はアッと言う間に我々を魅了しました。
その後にイングリッシュ・ローズに影響されたフレンチ・ローズが出て来た……。

僕たちは今、とてつもない薔薇の変革期に生きていると思うんです。
100年、200年経って、今の時代を振り返った時、
改めて、僕たちが好運な時代を生きていたことが証明されるでしょう。

さて、「ラッキーな時代に生まれた。」と書いた理由はこうです。
この薔薇の変革期において、僕は順番に、それぞれの薔薇の素晴らしさに触れる事が出来ました。
モダン → オールド → イングリッシュ → フレンチ……そして日本人作出の薔薇!
ジックリと時系列でその素晴らしさを堪能出来ました。文字通り「百花繚乱」。
一時期、空前のオールドローズの大ブームがあったことも大きいのですが、
色々と育ててみて自分の最も好みの薔薇を選ぶ事が出来た幸せな時代……。

所が、ここ数年、薔薇の魅力に取り付かれた方々はそれがない。
自分でそれぞれを育ててみてその美点を確かめる時間がなかったと思うんです。
いきなりドカぁ〜んとテーブルの上に満漢全席!薔薇オールスター!(笑)
溢れんばかりの素晴らしい薔薇が押し寄せるように目の前に現れた……。

矢張り、優美、華麗で僕たちの期待と理想に叶う、
イングリッシュ・ローズやフレンチ・ローズに目が行きますよね?
春しか咲かないオールドローズより繰り返し咲いた方がいいものね。
しかも、毎年〜夥しい数の素晴らしい薔薇が発表されます。
選り取りみどり、ここ日本では世界中の欲しい品種は余程のことがない限り手に入ります。
日本に住むって言うこと = 薔薇に関しては天国そのものなのです。



僕たちは非常に欲深いです。皆さん、一体、薔薇に、年間、何回咲けって仰言るんですか?(笑)
普通、植物って年に1回しか花咲かないものです。
それを、繰り返し咲く薔薇がいい、匂いは勿論!オマケに刺がなくて病虫害に強くて……。
そんなパーフェクトな薔薇……なかなかあるものじゃありません。
それはチョッと欲張りじゃないでしょうか。年に1回、春先から初夏に素晴らしい姿を見せる……。
それだけじゃ不十分ですか?何をそんなに薔薇に求めるんですか?
どうせ2番花が咲いても暑くてろくすっぽ庭にも出ず、
その健気にも咲いたその姿を見ようとしないじゃありませんか(笑)
必死に2番花を咲かせたのに、この暑さじゃアッと言う間にチリチリになってしまいます。
やっと咲いた花だって春の花の素晴らしさには劣りますよね?
花弁は少なくなり大きさも小さくなって来る……。

これだけ素晴らしい薔薇が勢揃いした今だからこそ、
オールドローズが今のこの世の中に残っている意味、理由をよく考えてみたいと思うんです。
オールドローズの人気に陰りが出て来た理由、それは、年に一度しか咲かないから。
これに尽きると思います。春しか咲かないと言う理由で人気が出ず、
人知れず絶滅して行く品種がどれだけ多いことか……。
この世から消えてしまったら、2度と同じ薔薇を造り出すことは出来ないのです。

先人たちが苦労して造り出した美の世界……。
芸術に多大な影響を与えて来たその薔薇を守って行こうではありませんか。
僕たちは薔薇を愛していますよね?だったらその薔薇の歴史を守る義務、責任があると思うんです。
先ずは有名所からでいいです。育ててみて下さい。手にしてみて下さい。
オールドローズの素晴らしさに胸を打ち抜かれることは必定です。
今、僕と同じ世代でオールドローズや原種に回帰する薔薇ファンが多いのは、
それはオールドローズが素晴らしい美点を兼ね備えているからなのです。

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この度、産經メディックスから待望の「オールドローズ好きの Old Roses」が出版されました。
皆さん、年2回の出版を楽しみにしている「New Roses」の別冊です。
分かり易い解説は読み物としても面白く、美しい写真は写真集を眺めているよう……。
解説陣のオールドローズに対する愛情がヒシヒシと伝わって来るようです。
そして、何よりも嬉しかったのは、作出家ごとに纏められたスタイルです。
今までこう言う切り口の薔薇の本ってなかったので凄く嬉しかったです。
ホラ、僕も作出家の末席を遠く離れた所からチョッとだけ汚していますから(笑)
皆さん、本屋さんに走りましょうね!インターネットでも注文出来ますよ!
ご覧になったらお気に入りの1本をこの冬にお迎えしてみては如何ですか?
オールドローズの愉しみ……素晴らしい経験が出来ると思います。


今日の写真はジュリアン・アレクサンドル・アルディ作出の「Mme. Hardy」。
独特の美しい姿!不必要なものを最大限に取り除いた究極の美!何も解説はいりませんね。
僕が思うに、白花のオールドで、いやいや、オールドローズ全体を見回しても、
この美しい薔薇に匹敵する薔薇はないのではないでしょうか。



01. 09. 2012


Benoit。


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by souslarose | 2012-09-01 00:00 | Raindrops on Roses

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