2011年 06月 21日
雨、漂い、匂い、舞う……。
そうでなくても薄暗いのだ。
貴重な太陽光線を遮らないようにビニール傘を用意する。
サンダルにTシャツ、ショート・パンツの濡れてもいい簡単な服装。
手にはお気に入りの一眼レフにF1.4の標準レンズを付けて。
勿論、薔薇を美しく見せるための女優ライト……。
ならぬ、白の和紙を使ったレフ版も持参します。
傘をさしながら玄関の外でしゃがみ込むこと1時間。
およそ600枚の写真を撮りました。
構図を決めて連写、連写……この日は雨の雫に焦点を置いて。
細かい霧雨が舞うように薔薇の周りを漂います。
微妙に渦を巻く微風によって、霧が上から下から……。
まるで薔薇を包み込むように舞います。
僕の顔にも濃密で細かい霧がまとわりつくようです。
タップリと雨を含んだ花首が重たそうです。
次第に頭を垂れ、今ではスッカリ俯くその姿。
これほど美しい薔薇が他にあるでしょうか。
ギリギリまで溜まった雨粒……。
「ぽとり!」
一粒、また一粒……雨露が落ち、軽くなると反動で花首が跳ね上がります。
薔薇は「Bella Donna」……僕のお気に入り。
しっとり濡れ、美しさに磨きがかかったようです。
辺りに舞う極上の匂い……雨の日の午後の素敵な瞬間。
21. 06. 2011
Benoit。
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