深野俊幸さんの魔法で薔薇の魅力に染まる。

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今を遡ること 14年前。
僕は青山の骨董通りにあるデザイン事務所に勤めていました。
初めて就職した事務所が不景気のあおりを喰って廃業。
(地元の名士だった社長が倒産だけは避けたがった……。)
次に就職した会社です。面接で即採用、お祝いに自分で自分にプレゼント。
中島誠之助さんの店で染め付けのお皿を買ったのが懐かしいです。
さて、その事務所、何と9ヶ月で辞めてしまいました(笑)
人と上手く付き合う才能があって(多分)我慢強い僕(おそらく)にしては異例。
理由は、そこの社長がイヤでイヤで……いい人だったんですけどね。
その9ヶ月間に、自分の足で歩き青山の色々な店を開拓しました。
レストラン、カフェ、勿論、骨董屋、いいものを扱うブティック……。
そんな中、もっとも感動して今でもお付き合いして貰っているのが、
深野俊幸さん主催の南青山のカントリーハーベストです。

忘れもしない1996年6月13日。
珍しく仕事を早めに終わった僕は、青山キラー通りにある美容室に友達を尋ねました。
そこに勤める知り合いの女性に誕生日の花束を届けるために……。
道すがら、何をプレゼントしようか迷って歩いていると、
246を1本入った裏道に素敵な花屋を発見!
匂うんですよねぇ……いい店は何やら素晴らしい匂いが(笑)
その時は、当時、深野さんと一緒に店を切り盛りしていた女性Oさんがいらして、
僕の一風変わったリクエストに応えて下さいました。

 「野原の小径で摘んだような花束にして下さい。」

そこから僕とカントリーハーベストのお付き合いが始まりました。
男たるもの、いい花屋を一つは知らないといけません。
折々に花束を贈る、自分のために花を買う……日本の男性に多いに欠如している部分。
恋人の誕生祝いに、友人の記念日に、母の入院のお見舞いに、
そして、大好きな女優さんや俳優くんの楽屋見舞いに……。
カントリーハーベストは平々凡々な僕の株をどれだけ上げてくれたか。
そして、毎回、頼む僕が驚かされる斬新なアレンジ。
奇を衒うのではなくて、植物を知り尽くした上でのオリジナリティです。

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さて、先日、幸運にもソフィア・ローレンに花束をお渡ししたことは書きました。
急に思い立ったんですよ、日本のファンの皆さんからって言うことで、
ソフィア・ローレンに花束を渡して貰おうって
(ヒョンなことから自分がその大役を仰せつかりましたが……。)
勿論、迷うことなく花束はカントリーハーベストです。
当日、伺うと幸運にも深野さんがお店にいらっしゃいました。
用件は既にご存知で、確認を少しした後に作って下さったのが写真の豪華な花束です。

ソフィア・ローレンにはどんな花が似合うでしょう?
店には向日葵もありましたが(笑)ここで向日葵を使ったら一生バカにされます(爆)
さてさて、どうしたものか……深野さんには既にイメージがあったようです。
紫陽花と大きなダリアを中心に、そこに薔薇の「Yves Piaget」が入ります。
たった3種類の花、シンプルだけれど思い切り印象的で豪華です。
僕は深野さんが作った花は大好きですが、花の好みが全く同じと言う訳ではありません。
実はこの時も、紫陽花、ダリアまでは何となく予想がついたんですけど、
そこに「薔薇?」チョッと意外な気がしました。
別に僕が薔薇が好きだからって言うこともないんでしょうけど、
小さな花弁と同じ渋めの色味を持つダリアと紫陽花に、
全く違うテクスチャーを持つ薔薇を入れる……目からウロコが落ちました。
深野さんが凄いところは、これらの花を混ぜないんですね。
普通は種類の違う花々を均等に混ぜたくなるものなんですが……。
深野さんは大きな纏まりでスパイラルを作って行く。
薔薇を中心に、周りをダリア。そして、その外側に紫陽花……。
このごくごく自然な無造作感!空気感って言うのかなぁ……凄いです。

驚くことに、その薔薇を入れた事によって、
何も匂わなかった花束が「匂いのいい花束。」になったことなんです。
花束を見たイタリア文化会館の皆さんは驚きを口にします。
そして、必ず顔を輝かせて「凄くいい匂い!」と。
美しい花、花束を見た人は、次に必ず匂いを期待します。
たった5輪の「Yves Piaget」が強烈な匂いで辺りを包み込みます。

2007年の「国際バラとガーデニングショウ」を覚えていらっしゃる方も多いと思います。
深野さんのカントリーハーベストがメインのテーマの庭を作った年です。
僕も長年のお付き合いをさせて貰っている立場からすると本当に鼻が高かったです。
花の洪水、色彩のマジック、他の追随を許さない個性……。

随分前になりますが、お店で聞いた深野さんの言葉が思い出されます。

 「店を始めた頃、御飯を食べるお金を惜しんでも店のために変わった花を一本買った。」

いい花屋の条件は幾つかありますが、その1つが花の品揃えですもんね。
数えきれないほどの草花と花器、素敵なアンティークが店を埋め尽くします。
深野さんの魔法で薔薇の魅力に染まった一日でした。


26. 10. 2010


Benoit。


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by souslarose | 2010-10-26 00:00 | Raindrops on Roses

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