麗しのPaul's Early Blush。

b0168859_16515927.jpg
××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××

我が家の冬のバルコニーには色がない……。
こまめに手入れをし、季節季節の草花を慈しんでいる人の庭とは全く違う。
薔薇のシーズンでさえそれなりにしかならないのに、
普段は全く手入れをしない我家のバルコニーはヒドイのです(笑)

赤く紅葉した薔薇の葉、まだ完全に色付いていないオリーブの実、
小さいけど真っ赤に熟したノイバラの実……それらが僅かな彩りなんですが、
その実も小鳥たちに啄まれ随分と減って来ました。
さて、先日のこと。冬場のお決まり、週一回の薔薇の水やりの時、
一番端のバルコニーの片隅を見やると、一際、鮮やかな色が目に飛び込んで来ました。
近くまで寄ってみると、その鮮やかな色は「Paul's Early Blush」の熟した実4つでした。

××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××

つい先日、人気誌「My GARDEN/No.53 早春号」に、
「僕のいちばん好きな薔薇?それはね……。」と題して、
2ページほどオールドローズに関して好き勝手を書かせて戴きました。
リストアップの時、色々と好きな薔薇が脳裏をかすめましたが、
一応、オールドローズと謳われている以上、薔薇の世界では一般的な
「La France」より以前の薔薇に限定して品種選びをしないといけません。
当然、1893年に発表された「Paul's Early Blush」は、
リストから後ろ髪を引かれる思いで落ちます(笑)
でもこの薔薇、ブノワ。さん、大好きなのです(笑)
1893年、イギリスのジョージ・ポール Jr. 作出、
ハイブリッド・パーペチュアルになる「Paul's Early Blush」。
淡いピンクのやや大振りの花が咲きます。
刺は多いものの、薔薇ですからね、刺があるのは当たり前、
薔薇好きたるもの刺も薔薇の最大の美点として愛でなければいけません(笑)
まるでジョン・シンガー・サージャントの傑作、肖像画の最高峰、
「Lady Agnew of Lochnaw」が着ているドレスのようなピンク、
上質のシルクのように柔らかで滑らかな花弁、
高芯剣弁が特徴であるモダンローズと古の薔薇を繋ぐ花様、
大きくタップリとした明るい葉、上品でスッキリした匂いも魅力です。
上手く伸ばせばショート・クライマーとしても使えます。
残念ながら、そんな繊細な花弁ですから雨には弱いのですが……。

さて、そこまで褒めそやすとなると……、
そう、当然、今までに毎年〜交配に使ってきました。
所が、途中までは実がプックリと膨らむのですが、
夏以降、次々にダメになってしまいます。
母木にしてもダメ、花粉を使ってもダメ、どの組み合わせもダメ……。
一般に薔薇は受粉しやすい植物だと言われています。
ただ、美しさの極みの薔薇、完璧な薔薇はなかなか子孫を残さない傾向にある……。
この「Paul's Early Blush」もその 中の一本なのかもしれません。
半ば諦めかけた時に見付けた赤く熟した4つの実。
どうやら僕が交配したものではなく、自然受粉のようでした。
いそいそと実をカットして部屋に入り、ナイフで実を割ってみると…….
中には一粒も実が入っていませんでした……。
そうなんです、実が膨らんだからと言って中に種が入っているとは限らないのです。
あ〜ぁ、ガッカリ(笑)やっぱりダメなのかなぁ……。

××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××

写真は春の終わりからグングン伸びたシュートの先に咲いた「Paul's Early Blush」。
下に横顔を見せているのがハーディ作出の「Gloire de France」。
どうです、恐ろしいくらいに綺麗でしょう?



01. 15. 2010


Benoit。


★Copyright © 2009~2010 souslarose, All Rights Reserved.
[PR]
Commented by キチ at 2010-01-14 19:04 x
Benoit。 さま、

こんばんはです。
今回も素敵な記事のアップをありがとうございます。
「My GARDEN/No.53 早春号」の記事は、大変素敵な画像がたくさんで~ガリカローズをあれから、色々調べたくなりました(笑)
見開きページの記事は、各バラの画像の背景が白で統一されており、とても見やすかったです。
まるで、トランプの絵札が並べられているようでした。
この品種は、ハートのキングでこちらがスペードのナイトで・・みたいでした♪

「Paul's Early Blush」は、初めて知りました。
素敵なバラですね。香りは如何でしょうか。
Peter Beales 作の「St Ethelburga」を育てているのですが、似たような雰囲気のバラに感じました。

これからも素敵なバラの紹介とアップを楽しみにしております(@゚ー゚@)ノ♪
Commented by angel-chiho at 2010-01-14 22:05
きっと実物の色はもっと感動的なものなのでしょうね。微妙なピンク、いいですね。マイガーデン読んでみょう!サージェント私も一時期とても好きな画家の一人でした。(最近はピークを過ぎてしまって、もっと原始的な絵が好きなのですが)特に彼が描く肖像画は、肖像画を欲しくさせる力があり大好きです。

それに...このバラは名前とバラが合いますね。

Commented by にゃん at 2010-01-15 23:57 x
Benoit。さん こんばんは!思い切ってまたおじゃましました。
「Paul's Early Blush」
ずいぶん前にあこがれていたバラなのです。
こちらでお目にかかれるなんて!
「バラ」に関する本を手当たり次第買いあさっていた頃、
「バラの庭を楽しむ オールドローズ」という本で見て
ずいぶん探したのですが見つけることができませんでした。
本に載っていた写真より ずっと素敵ですね。
また欲しくなっちゃいました。
少し前に播いたバラの種から 早いものが芽を出し始めました。
今年は 交配にもチャレンジしてみたいです。
5月が待ち遠しいですね!
Benoit。さんのバラたちに会える日を楽しみにしています。
Commented by ムー at 2010-01-16 00:04 x
あーやっぱりそう簡単には子孫を残す気が無いのかー。
タンポポなんか風を利用して自分の力で子孫を残すのに、
完璧に美しいバラは人の手が要るんですね。
オールドローズの苗が今でも買えるって凄いことなのかもしれない。
検索してみたらこのバラを買える所がありました、ポチっとしそうになったけど、
まてよ、バラの説明に早咲きか遅咲きかの性質が書いてないのは何故だろう?
特にツルバラを何種類か這わせようと思ったら植える時にわかってないと失敗しちゃうのにね。
場所や気候によって開花日は違うけど早い遅いの順番はそう違わないと思うんですけど。
して、麗しのPaul's Early Blushは早咲きですか?梅雨咲きですか?

Commented by cream tea at 2010-01-17 18:49 x
正に、麗しの・・・ですね!きれい。。。

いつも薔薇の姿を見て思うのは
どの薔薇もそれぞれ特徴があり、
とげがあっても、一季咲きでも、大きくなりすぎても
病気に弱くても、花がすぐ散っても、
どの品種も花を見ると褒めてあげたくなります。

この時期は膨らんだ実に出会うとつい中を見たくて割りますね~。
薔薇に限らず・・・実を割るのは子供のころから大好きで
ワクワクします!
種が中に入ってないのは、残念ですがそれもまた
植物の繊細な一面ということで面白いです。
サージェントは薔薇のイメージが強くあります。
きっと、夏の庭の行燈に照らされた薔薇のイメージですね。
Commented by rosedeco at 2010-01-19 23:34
ブノワ。さま
今回も、唸りながら(笑)拝見しました。
ハイブリット・パーペチュアル、とても興味があります。
たまに、驚くほど美しい品種にあたって…きっと海外のナーサリーに行けば、日本ではお目にかかれない美男美女に出会えるのだろうなあと、口惜しい思い!
その背景にも興味が湧きますね、二世が作った薔薇…大変、楽しかったです。
Commented by あけ at 2010-01-20 10:13 x
ブノ。ちゃん・・・おはよぉ~!!
かわいい(*^^*)

「美しさの極みの薔薇、完璧な薔薇はなかなか子孫を残さない傾向にある」・・・・なるほどなるほど・・・・・

だから、あけには子供がいないんだねぇ~(笑)
Commented by にゃん at 2010-01-22 20:06 x
↑あけさん バラのことだからね!

今日 なんと熊本から!届きました~。
「Paul's Early Blush」
結局我慢できなくて注文してしまいました・・・。
す、すごい刺!!
我が家の「刺・ベスト5」に仲間入りできそうです。
Benoit。さんのおかげで
あこがれのPaul's Early Blushに
めぐり合うことができました。
どうもありがとうございました~!
Commented by souslarose at 2010-01-23 21:07
キチさんへ。
こんばんは。メッセージどうもありがとうございます。
返事が遅くなってゴメンなさいね。新年早々、大変に忙しくしております。既に疲労困憊、正月休みで充分に休養を取ったのにね……。
さて、「My GARDEN」見やすかったでしょう?色々と考えたんですけどね、背景が白の写真で統一して多めに編集部にお送りして選んで戴きました。何事につけ統一感って大事ですもんね。所で、キチさんは珍しい薔薇を沢山育てていらっしゃいますね。この「Paul's Early Blush」も結構、珍しいんじゃないかなぁ……繊細でね、本当に柔らかな花弁が何とも魅力的です。雨が降ることが分かっていると、僕はアルミホイルで花首に傘を付けてあげるんですよ。この写真もそうして撮った1枚です。そうそう、ガリカとモスは写真を見ないでも全部買って間違いありません!それくらい全てが素敵です。

Benoit。
Commented by souslarose at 2010-01-23 21:12
chihoさんへ。
こんばんは。メッセージどうもありがとうございます。
その後、元気にお過ごしですか?なかなかお目に掛かれませんね……。
さて、この薔薇、綺麗でしょう?全ての女性がピンクを着たがるかどうかは分かりませんが、この花弁の質感!柔らかさは全女性が憧れるシルクの肌合いです。思わず頬擦りしたくなるくらい。今度、ゆっくりと絵画の話しをしたいですね。僕は門外漢ですけど、高校時代には美術部でしたからね(笑)chihoさんのお付き合いくらいは出来ると思います。ポートレートは絵画の華、僕は写真も絵画もポートレートが好きです。世界で一番好きな美術館は、イギリスのポートレート・ギャラリー!(笑)あそこは額縁も超絶凄いです。

Benoit。
Commented by souslarose at 2010-01-23 21:18
にゃんさんへ。
こんばんは。素敵なメセージどうもありがとうございます。
返事が遅くなってゴメンなさいね。何でしょうねぇ、新年早々、忙しいのですよ……。
所で、思い切らないでじゃんじゃんメッセージ下さいよ(笑)ここは美しい薔薇に関する上品なブログですけど、皆さん、気の置けない素敵な方ばかりです、ここで友達の輪を広げて下さい。「Paul's Early Blush」ですが、まだまだ扱っている所が少ないように思います。もっと人気が出てもいいのになぁ……。蒔いた種、芽が出て来ましたか!そろそろ2月ですもんね……そんな時期になってしまいました。アッと言う間に5月、薔薇のシーズンの開幕です。またメッセージ下さいね、約束ですよ!

Benoit。
Commented by souslarose at 2010-01-23 21:27
ムーさんへ。
こんばんは。いつもメッセージをありがとうございます。
こんなブログですけど、親切にして下さって励みになっているんですよ。
さて、忘れない内に……この写真のデータを見ると5月13日に撮った事になっています。ごくごく普通ですよね。関東地方の標準だと思います。ツル薔薇同士、他の植物と組み合わせる時も開花時期がズレると大変な事になっちゃいますもんね(笑)僕なんか適当に何種類か組み合わせてアーチを作ったら全部、開花時期が違うの……それってどうなの?(笑)オールド・ローズの苗が今でも買える……ムーさん、それって一番大事なことかもしれませんね。次の世代に伝える……僕達の大きな使命です。ジャンジャン買って広げましょう、オールド・ローズの輪!それから僕の独断と偏見ですけどね、真の銘花は子孫を残さない……ムーさん、どう思います?

Benoit。
Commented by souslarose at 2010-01-23 21:37
cream teaさんへ。
こんばんは。お元気ですか?
メッセージどうもありがとうございます。返事が遅くなってゴメンなさいね。いきなり忙しいのです(笑)まぁ、贅沢は言っていられませんけどね……。植物の実ですけど、本当に不思議ですよね。造形的にも驚異ですけど、その子孫を残すシステムね!カタバミの仲間なんか恐いですよね。熟した実に触ると「パァ〜ン!」と弾けて種が辺りに飛び散ります(笑)薔薇は交配しやすい植物ですけどなかなかどうして……思い通りに行かない所もまた自然界の面白い所ですね。サージャントは生前に大層売れた数少ない画家です。上流階級のポートレートを9頭身で描いて評判を博しました。「そうでなくてはならない姿」をキャンバスに描いて。まだ実物を見ていない作品があるのですよ……死ぬまでに観たい1枚、イギリスのテート・ギャラリーにある「マクベス夫人に扮したエレン・テリー」です。今度、一緒にどうですか?(笑)

Benoit。
Commented by souslarose at 2010-01-23 21:45
歩夢さんへ。
こんばんは。いつもどうもありがとうね!
ハイブリッド・パーペチュアル……薔薇の歴史の狭間に咲いた徒花……僕はそんな風に捉えています。素敵な品種が沢山ありますよね。歩夢さん、パリ郊外の「ライ・レ・ローズ薔薇園」に行ったことありますか?呆然と立ちすくむのは、夥しい数のルゴサが植えられていること……日本に紹介されているのはごくごくほんの一部、知らない品種がゴマンとあって、自分が如何に井の中の蛙かを思い知ることとなります(笑)そして、ハマナシ系が薔薇の世界に及ぼした影響……チョッとばかり低い鼻が高くなる瞬間です。日本人ですからね(笑)いつか一緒にパリを歩きたいですね。極秘の骨董屋をお教えしますよ(笑)

Benoit。
Commented by souslarose at 2010-01-23 21:48
あけさんへ。
あけさん、あけさん、お返事に困る事は書かないでね(爆)
全く意味不明だものね(笑)最初の「ブノ。ちゃんかわいい!」これはとても良く分かるけど……って、こっちの方が意味不明?(笑)あけさんは腹黒い……じゃなくって、赤黒い薔薇が好きじゃないですか。その点、イヤだけれど僕と一緒(笑)でもこの薔薇いいですよぉ……是非、あけさんの食い物系庭にもお迎え下さい(笑)

Benoit。
Commented by souslarose at 2010-01-23 21:53
にゃんさんへ。
こんばんは。メッセージありがとうございます。
本当、困りますよね、あけさんには(笑)にゃんさん、お友達なんですから何とかして下さい、あけさんの暴走振り!
所で、ふふふふ、買っちゃったんだ!(笑)いいですよ、この薔薇!刺?当たり前です、薔薇なんですから(笑)でも、確かに持つ所がないくらいに刺々しいかも(笑)5月が待ち遠しいですね……にゃんさん、この薔薇の前で失神すること間違いありませんからね(笑)大いに楽しんで下さい、そして、もっと広めて下さいね。咲いたらどんな感想を持ったか教えて下さいね。

Benoit。
by souslarose | 2010-01-15 00:00 | Under the Rose | Comments(16)

Let's talk about roses。


by ブノワ。
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30