溶け込む。

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薔薇の花を撮るのは難しい……。

薔薇は花の女王……たった一輪で、辺りを払う勢いがあります。
正面から、斜めから、俯き加減に、仰ぎ見る感じに……。
撮る者の趣味や、その薔薇に対する思い入れが様々な表情を作ります。
薔薇も「そう?それなら仕方ないわね。」と、ばかりに、
今までに見たこともない美しい表情を見せてくれます。

僕の中にもその時その時のブームがあり、
今までに様々な薔薇の表情を切り取って来ました。
レンズを買ったときの気分、フィルターによっても薔薇の捉え方が違います。
白がバックの時、黒がバックの時……その年々でも違います。
ただ、一貫して言えるのは、僕の薔薇の写真の特色は、
薔薇の花のアップを撮ること、丁度、見頃の薔薇を
一輪だけ非現実的な状況で撮ることでしょうか。
まるで美しい人のポートレートを撮るように……。

薔薇好きが高じ、自分の自宅のバルコニーで薔薇を栽培し、
なかなか行けないけれども、素晴らしいと評判の薔薇園を歩き、
良く手入れされた個人の庭も沢山見せて戴きました。
フランスやスペイン、イタリア……外国を旅する目的も、
薔薇を見ること、庭園も、薔薇が素晴らしい庭園を中心に見て来ました。
それぞれに個性があり、国の色、薔薇に対する思いが様々な薔薇園を作っています。

今までに夥しい数の薔薇の写真を撮りました。
固い蕾が綻びかけた麗しい薔薇、美しく妍を競う満開の薔薇、
散りかけても最後の輝きを見せる薔薇、枯れてなお壮絶なまでの怪しさを見せる薔薇……。
どの薔薇も美しくその一瞬を切り撮って来たつもりですが、
PCの写真のファイルを覗いて見ると、矢張り、薔薇のアップが多いのです。
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軽井沢レイク・ガーデン……初めて訪れました。

それはそれは素晴らしいと評判を聞き、今年こそはと思いつつ、
新幹線で小一時間、いつでも行けるから、花期も初夏から秋までと長いから……と、
ついつい延び延びになっていました。
丁度、満開をチョッと過ぎ、雨にしっとり濡れて霧にむせぶ薔薇に酔いしれ、
夢中になってシャッターを切って来ました。
その数およそ500枚。帰宅してコンピューターに写真を取り込んで驚いたのは、
薔薇のアップの写真が殆どないのです。その殆どが、風景に溶込む薔薇の姿。
ファインダーの中で風景と一体になり自然の一部に溶込んでいる薔薇……。
また、薔薇が写っていない風景写真の多いこと!

国内外、およそ薔薇が素晴らしいとされている薔薇園や庭園を歩きましたが、
ここまでカメラを引いて撮ったことは初めてです。
大体が余計なものが写ったり、どこか人工的なものが邪魔だったりします。
自然に溶込む薔薇たち……驚きの念を禁じえませんでした。

薔薇だけが際立たず、風景の一部として溶込んだ類い稀なる庭……。
なかなかこれだけ自然な薔薇園は世界にもありません。
薔薇園と言うよりも、美しい庭園の中に薔薇も植えてある感じ。
軽井沢の気候に合った植物が選ばれ、
薔薇と見事なハーモニーを見せ、風雅な表情を見せてくれています。
雨に項垂れ、風に揺らめき、霧に霞む麗しの薔薇。
まだ薄暗い早朝から手持ちでシャッターを切れるぎりぎりの日暮れまで、
薔薇本来の樹形を楽しみ、園内に漂う香しい匂いを満喫した旅となりました。


12. 07. 2009


Benoit。


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by souslarose | 2009-07-12 00:00 | Under the Rose

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