心の中で……ゴメンなさい。

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前略

春の薔薇も一段落。繰り返し咲くものは切り戻し、
来年の春まで咲かないものはそのままに……そろそろ花後の手入れに入りました。
そちらは東京より2週間ほど開花が遅いですから、
Bさん、今からワクワクドキドキじゃありませんか。

さて、花が終わりに近付くと薔薇の交配もお仕舞いです。
秋の花では出来ないんですよ。春に受粉させて秋までに結実させておかないといけません。
今年はあれこれ悩んだりしましたが、かれこれ200種類くらいは交配したでしょうか。
これで秋までジックリ実を育てることになります。

交配は楽しいけれど、どこか神聖な感じもします。
どんな花が咲くか神のみぞ知る……そんな事を常々言っているからかもしれませんが。
薔薇だって一年掛けてようやく開花しようとしているところを、
無理矢理、花弁をむしられて交配に使われちゃうんですから(笑)
たまったものではありませんね。僕は花弁をむしる時、心の中で「ゴメンなさい」と呟きます。
次の新しい命のため、素晴らしい薔薇のため……これは僕の勝手な言い分ですからね。
一番綺麗な時に花をむしるだけじゃなくて、脇に付く蕾も取ってしまいます。
栄養を一つの実にだけ行かせるためです。
交配のため、新しい花のために全てを犠牲にする訳ですからね。
一言、心の中で「ゴメンなさい」を言いたいんです。

さて、交配が終わってホッと一息なんか付いていられません。
秋まで丸々と実になるものはいいけれど、
途中で実が落ちてしまった時なんかはガッカリすると同時に、
薔薇に本当に申し訳ない……そう思ってしまいます。
ですから花粉を採るためだけに花を潰すことはしません。
交配で母親に使う品種からのみ花粉を採取する訳です。

何事につけ、感謝する気持ちを忘れてはいけない……僕は普段からそう思っています。
食物もそう。決して粗末にしない。ご飯は最後の一粒まで食べる、
レストランでは食べられないものは注文しない……挙げればキリがないけれど、
少しでも感謝の気持ちを込めたい、そう思っています。
そうそう、何時だったか、台所で餃子を作っている僕が一言、

 「ゴメンなさい」って小さく言ったそうなんです。

友人がそれを聞き付け、後になってどうして謝ったのか聞いてきたんですね。
思い返してみると、どうやら、たった2枚余った餃子の皮を捨てる時に、
餃子の皮に謝ったらしい(笑)小さく声に出ちゃったんですね。
たった2枚だけれど捨てるには忍びないじゃないですか……変ですかね(笑)

世の中のものは全てに意味があって存在します。
何かをする時に犠牲にしなくちゃいけないものも出て来るけれど、
そんな時はチョッとだけでいいから、犠牲になるものに心を寄せ、
感謝の気持ちを込めたいです。自分一人で存在することは出来ないんですからね。

写真はそんな数々の犠牲の上に成り立った薔薇、僕のオリジナルの薔薇の写真。
お気に入りの2品種のツー・ショットです。


草々。

2009年6月19日


ブノワ。


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by souslarose | 2009-06-19 00:00 | Under the Rose

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